何人かに尋ねてみました。
「あなたが最初に聴いたクラシック音楽は?」と。
多かったのは「ハンガリー舞曲」の5番です。「ファランドール」、「カルメンの前奏曲」、「エリーゼのために」、「乙女の祈り」、「パッフェルベルのカノン」というのもありました。年代によっても多少異なると思います。
共通して答えてくれたのは、「小学校のとき、帰宅時間になると新世界交響曲の『家路』がなっていた」、「ベートーヴェンの第九交響曲のあの『歓喜の歌』も習ったなあ」といったものです。クラシックはたとえ曲名を知らなくても、それぞれの想い出のなかにいつまでも響き続けているようです。
私は時々世界一、あるいは日本一有名なメロディは何かなあと考えます。そしていつも思うのは、あのカンカン踊りのメロディ、そう「マーン・マカマカ・マンマン・マカマカ・・・」つまり『ド・レファミレ・ソソ・ソラミファ』というアレです。このメロディを知らない人はおそらくいないでしょう。19世紀後半の作曲家、オッフェンバックの「天国と地獄」序曲の一節です。
これはクラシックでしょうか?
もちろんクラシックです。
では、クラシックとは何なの? という疑問がでてきます。
多分、著作権料を払わなくても演奏したり、それで商売してもいい曲のことを「クラシック」というのではないでしょうか。つまり、クラシックとはそれほど長い間、世の中で通用してる曲ということだと思います。
バッハやモーツァルトやベートーヴェンはもちろんです。ヨハン・シュトラウスなんかは、始めは流行のダンスバンドのリーダーとして曲を作っていて、そのまま100年以上流行し続けています。まさにポピュラーも100年たてば、愛好され続ければクラシックなのです。
ビートルズは著作権が切れる頃まで流行っているでしょうか?
ひょっとしたら、あなたのひ孫たちはクラシックの定番としてビートルズを聴いているかもしれませんよ。
5分以内のクラシックの曲がたくさん入っているCDをひとつ手に入れてください。ショパンのピアノ曲でも、管弦楽名曲集でも、ヴァイオリン小品集でも何でもOKです。きっとどこかで聴いたメロディが、そうじゃなくても心に響くメロディが、あなたを心の底から美しくすることでしょう。
(文:神戸市室内合奏団 鈴木 博詞)